アサド大統領は悪人悪魔なのか?トランプのシリア空爆の後の次の一手は?
トランプが週末にシリアに空爆を開始しました。
そして、その日の攻撃の後に「任務が完了した!」と宣言しました。
政府関係者は、このトランプの発言が2003年のイラク戦争の時
のジョージ・W・ブッシュの恥ずかしい宣言とは違うことを
印象付けようと必死ですが、シリアとの戦争は長期戦と
なりそうです。関係者は、金曜日の夜(シリアの化学兵器施設を破壊する)
という狭い意味での任務が成功したという解釈におさめよう
としていますが、当のシリアのアサド大統領は、この攻撃に
対して反発を強め、反政府勢力にたいする攻撃をさらに強める
という悪循環となっています。
アサド大統領は悪魔なのか?
アサド大統領の背景は複雑です。
その大きな背景に宗教があります、シリア内での
シーア派とスンニ派の対立となって
いますが、アサド大統領は、シーア派の中でも
アラウィー派に属しています。
ところで、シリアの主な宗教は3つに分かれています。
そのうちわけは、スンニ派74% アラウィ派16%
東方正教会10%というところですが、シリアは主にスンニ派が
圧倒的に多いのです。
そのシリアの大統領がアラウィ派のアサド大統領です。
シリアは親子二代に渡って独裁的な政治が続いていて問題化して
いますが、現政権は2代目のアサド大統領が中心となっているのです。
このアサド大統領は、イスラム教アラウィ派に所属していて
上記のようにシリアの宗教の分布では少数派にもかかわらず
アサド大統領によって2割の人は様々な優遇措置を受ける事が
おきています。
これがシリアの内乱の原因となっているのです。
2割の国民への優遇措置は残った宗派である、スンナ派たちが主に
負担するという不公平な状態となっています。
今回の空爆でアサド政権へのダメージは
アサド大統領には、ロシアとイランに守られて危害が達しなかった
ようです。
トランプの爆撃の結果として2つの新聞が、シリア情勢に厳しい見方を報じ
ています。
ウォールストリートジャーナル紙は、「日曜日シリア軍は、反政府勢力に対して
空爆を起こした、救助隊員が民間の家であると主張しても攻撃対象した。
米国が率いるミサイル攻撃の翌日に、内戦を駆り立てるアサド大統領の
衰えない能力を示誇示した」と報じています。
ワシントン・ポスト紙は、「シリアの化学兵器施設に対する米国主導の攻撃は、
ダマスカスで行われていた祝賀行事を反抗的に煽る結果となった。これは、
この限定的攻撃がアサド大統領の権力に直接的な脅威をもたらさず、
シリア戦争の軌道になんら影響を与えない可能性が高いことが明らかになった」
と報じています。
アサド大統領に対するトランプの次の一手はあるのか?
その日のCBS番組「Face the Nation」で、ニッキー・ヘイリー氏は、
ホスト役のマーガレット・ブレナン氏に、トランプ政権がロシアに
対する追加制裁を課すであろうと語っています。
トランプはロシアとアサド政権と武器製造と関係のある企業に
対する制裁措置を強めることを示唆しています。
シリアからいち早く撤退したかったトランプが、攻撃をしかけた
ことで、より対応が中途半端になってしまっているようです。
今後もアメリカがシリアに残って攻撃を続けるのかどうかが
今後の焦点になると思いますが、アメリカはこれ以上のシリアへの
攻撃は消極的となっているようです。
なぜならば、これ以上の攻撃はロシアとの致命的な対立を招く
からです。