ちょっとしたVaRショック?中国国債10年が急落(利回り急上昇)している背景とは
強烈な金融緩和を実施している中国の10年利回りがここ最近急上昇
しています。
8月にはいって10年利回りは0.38%上昇に転化しており、昨日も大きく
上昇しています。
その背景としては、中国の中央銀行であるPBOCが通常資金供給を
実施している7日間のREPOによる供給オペを昨晩ははじめて14日間の
REPOを実施したことで、中国人民銀行は、今後は利下げや、あるいは
銀行へのreserve requirement (RRR)の引き下げを行わないのではないか
という憶測がひろまったことが背景であるといわれています。
ちょっとしたVaRショック観測も?
とはいえ、中国の経済ファンダメンタルズから考えると、中国が緩和政策を
続けていくことには当面変わらず、今回のこの国債の急落はむしろテクニカル的
なもの?市場参加者は、今後の中国の金融緩和観測から国債を買っている状況から
このちょっとした大きな動きはそうした参加者のVaRというリスク値に
トリガーを引き、ポジションの巻き戻しがおきているのでは?との憶測も
あります。
いずれにしても緩和政策に変わりなく
中国は2016年の8月までに、オープンマーケットを通じて約990億ドル
の資金供給を実施しています。同時に何兆ドルの金融機関のローンのファシリティ
を増やして、両側面において徹底的な金融緩和を実施しており、このRepo期間の
延長でその流れが変わるわけでなく、むしろ資金供給で行きわたりにくい、農業関連
機関への資金が行き渡るようにオペに多様性をもたせているものと思われます。
注目したいのは、米国をはじめとしたほかの主要国債の利回りの上昇につながって
いっているのかどうかで、米国は今週末のジャクソンホールでのイエレンの講演が
もっとも注目されるところです。