このユーロの下落は調整それともトレンド転換?
今月の上旬に1.37台の高値をつけたユーロ。そこからあれよあれよと
今週は1.32台をも下抜けしてしまいました。
買われすぎていたユーロの調整はある程度事前注意は払えていたのですが
ここまでの下落は予想外でした。
テクニカル的には昨年からのユーロの上昇を支えていたトレンドラインが
今週ブレイクしてしまいました。
ドイツとその他のユーロ各国の景況感にギャップがあることは前回書き
ましたが、健全化にむかいつつあると思われていたユーロの金融機関にも
昨日のLTROの返済額発表で格差があることもはっきりしてきました。
第一回の返済額1372億ユーロの返済額から今回はその半分にも達しない
約628億ユーロに減ったこともさることながら、返済できる銀行とそうでない
銀行との格差がより鮮明になっていることも判明しました。
今回の返済で約1兆ユーロの借入のうち約20%が返済されたことになりますが
たとえばスペインにおいては先月約450億ユーロ返済されましたが、そのうち
350億ユーロは大手2行から返済されたものです。
3年で年率0.75%の借入コストの資金は銀行によって返済にいけるところ
と自力で調達するよりも安いがため維持しておきたいとする銀行との間で
差があるようです。
今週発表されたドイツの景況感指数ZEW,IFOとも予想よりも強い数字でありましたが、
市場はユーロ他国のファンダメンタルズの弱さが目立っていることに着目しはじめて
いるがためか、発表後ユーロ相場はかっこうの売り場になる展開となっていました。
今週末に控えているイタリアの総選挙がユーロの重石になっていることも確かですが、
選挙後ユーロは持ち直すのか、それともユーロの下落トレンドが続くのか来週の
動きが大事になってくると思われます。
現在の相場は他の通貨でもドル高基調が鮮明になっているので、ユーロドルでは
依然重い展開が続くと予想しています。ユーロ円では、円のファクターに左右されて
いる展開なので、来週決まると思われる政治イベントに左右されそうです。
ユーロドルチャートとトレンドライン↓