きたる「VaRショック」CTAの傾いた金利ポジションがもたらす影響について
カナダとオーストラリアの中央銀行が驚くほど
タカ派に転じたことで、2つの国の2年債利回りが
爆発的に上昇し、激しい反発を招きました。
これらの激しい動きについて、市場参加やアナリストによると、
「VaRショック」の匂いがマクロ・ヘッジファンドのポッドから
漂っているとの見方がでています。
「VaRショック」を悪化させる理由
ディーラーはイベントリスク(ECBなど)やVaRの制約を考慮して流動性を
提供することができていないようです。
米ドルとユーロののショートと最近見られた
スティープナーのポジションの両方でストップアウト
させられ、さらに悪化させているようです。
しかし、中央銀行がインフレへの対策のために
利上げやQEの終了などお観測がさらに強まっている
ため、市場が動揺している一面があるようです。
フロントエンドの売りがまだ続いているのとは対照的に、
グローバル債券先物の10年以上の短期スクイーズによる価格の上昇
が続いています。
痛みを伴って数日間続いていることから、過去24時間の大規模なカーブの
フラット化の背景となっています。
ロングエンドはさらに不吉な動きをしています。
現状の金利ポジションの傾き
当然のことながら、景気後退前のフラット化という最近の大惨事を踏まえて、
トレーダーが知りたいのは、痛みが終わったのかどうかである。
その答えを求めて、再びMcElligott氏に話を聞きました。彼は、昨日議論した
CTAによるショートカバーが世界の債券コンプレックスにまで拡大し、
昨日1日だけで約560億ドルという驚異的な「バイ・トゥー・カバー」
が行われ、全体の「カバー」は1週間前に比べて800億ドルに達したと指摘
しています。 1週間前と比較して900億ドル(内訳は、先週からのEUR 10Yの
買い越し239億ドル、GBP 10Yの買い越し74億ドル、USD 10Yの買い越し
318億ドル、JGB 10Yの買い越し130億ドル)となっており、
主に2週間の時系列が反転したことによるものです。
しかし、さらに注目すべきことは、「CTAトレンドモデルにおける
G10債券のポジショニングの総体的なネットショートドルエクスポージャーは、
依然として大幅なマイナス961億ドル」であり、
10年ルックバックで4.8%(2年前の0.4%から上昇)と歴史的に
「極端なショート」のままであるため、
「今日のフォワードガイダンスでECBの「ハト派サプライズ」が
押し戻された場合など、より多くのスクイーズが発生する
可能性があります。
しかし、今日の結果がどのようなものであっても、CTAのポジションは
依然としてレートの巨大なリスクのオーバーハング
となっています。なぜなら、以下に示すように、多くのCTAはここで
再び「買い/カバー」よりも「売り/ショート」レベルに
近づいているからです。
96 Billion Reasons Why The Treasury VaR Shock Is About To Get Worse https://t.co/NOfutEZs68
— zerohedge (@zerohedge) October 28, 2021
まとめ
ここ最近の債券の動きはとても不安定であり
突如として利上げ観測が前倒しされたことで
カナダ、オーストラリアそしてイギリスの
2年金利が急上昇する一方で、米国国債の
20年と30年のイールドカーブが逆転する
など、背景には偏ったポジションによる
スクイーズが考えられます。
そして、「VaRショック」とよばれる現象
も、このポジションの傾きが解消していないことから
今後もっと起きる可能性も否定できません。
今後の動きに注視したいと思います。
VaRショックとは?2021年前半米国株式市場で起きている現象とは!?