「Didi」がNY証券取引所の上場廃止の意味とその影響と株主の注意点は
中国のライドヘイリングアプリ「Didi」は先週、ニューヨーク証券取引所からの
上場を廃止し、香港での上場を目指すことを発表しました。
Didiの上場廃止の意味は
上場廃止は、ナスダックやNY Stork Exchangeのような取引所で取引されている
中国企業が、買い手、売り手、仲介者の幅広いプールへのアクセスを
失うことを意味します。
米国と中国における政治的圧力の高まりにより、ニューヨークに上場して
いる中国株が、ニューヨークの取引所から追い出される可能性が高まっています。
中国政府はまだ海外上場を全面的に禁止していませんが、今年の夏に
発表された新しいルールにより、かつて中国のIPOラッシュがあった
米国でのIPOは減少しました。
中国の成長ストーリーを楽しみたい米国人にとって、Didiの米国上場廃止は、
米国上場の中国株に投資することの政治的リスクの高まりを示しています。
数ヶ月にわたる憶測を経て、中国のライドハイアリングアプリ「Didi」は先週、
ニューヨーク証券取引所からの上場を廃止し、香港での上場を目指すと発表しました。
同社は6月下旬のIPOで40億ドルを調達しましたが、その数日後に中国から
新規ユーザー登録の停止命令を受け、規制当局の監視下に置かれました。
Didiの株価は、IPO以降50%以上も急落しています。
Didi上場廃止の影響は
上場廃止は、ナスダックやニューヨーク・ストーク取引所のような取引所で
取引されている中国企業が、買い手、売り手、仲介者の幅広いプールへの
アクセスを失うことを意味します。このようなさまざまな市場参加者が集中することで、
流動性と呼ばれるものが生まれ、投資家は保有する株式を迅速に現金化することができ
また、数十年にわたる米国の株式市場の発展により、既存の取引所に上場している企業は、
投資家を保護するための規制や制度運営のシステムの一部となっています。
上場廃止になっても、その会社の株式は「店頭」と呼ばれる方法で取引されています。
しかしそれは、その株式が主要な金融機関のシステムの外にあり、流動性が低く、
売り手が損をすることなくすぐに買い手を見つけることができないことを意味します。
上場廃止による注意点は
上記の売買の流動性が減ってしまう可能性と同時に
投資調査会社Stansberry ChinaのCEOであるJames Early氏は、今年初めにCNBCに対し、
一般的な投資家が心配する最も現実的なことは価格であると指摘されて
います。
「遅かれ早かれ、(上場予定の株を)手放さなければならないでしょうから、
今のうちに考えたほうがよい」とコメントしています。「今売ったほうがいいのか、
それとも何かの跳ね返りを待ったほうがいいのか」と。
米中の緊張が高まる中、ドナルド・トランプ前米大統領は、中国企業、特に中国軍との
関係が疑われる企業への米国の投資を排除する方向に舵を切りました。
その結果、中国の通信会社であるChina Mobile、China Unicom、China Telecomの3社は、
今年初めにニューヨーク証券取引所で上場廃止となりました。
米国に上場している中国株に対する更なる措置は、バイデン米国大統領の
政権下では、ますます強まっています。
12月2日、米国証券取引委員会は「外国企業責任法」に基づき、中国株の
上場廃止に必要な事前手続きをすべて完了した。
しかし、モルガン・スタンレーのアナリストは12月3日のメモで、
取引中止の時期は最短でも2024年初頭になると予測しています。
まとめ
今回はDidiのNY取引所の上場廃止を受けての影響と注意点
について調べてみました。
その影響としては、上場が廃止されることによって取引が
限られることが一番のポイントで、店頭取引で取引は可能とは
いえ、かなり売り手にとっては、不自由となることが予想
されます。また上場によって情報開示を含めて投資家保護の
規制下がなくなることで、投資家にとってはリスクが増すことが
想定されます。
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