「ベーシス取引」とは?ヘッジファンドの巨大なポジションの実態とは!
現状、ヘッジファンドが所有しています、巨大な
「ベーシス取引」の残高が話題となっています。
そこで今回はそのベーシス取引について
調べてみました。
ベーシス取引とは
国債先物を購入あるいは売却した場合には、
残存の国債が受け渡されることが
前提です。通常は、7年国債を受け渡す
コストが一番低い状態が続いています。
先物を売り建てた場合、受け渡し日に
7年国債受け渡す必要があります。先物を
売り立てる同時に7年国債を買っておきます。
気をつけるべきことは、先物取引において
現物決済を行う場合、コンバージョンファクターで
調整する必要があることです。
先物を売って現物を買う場合、もし
前者が100円で、後者が99円の場合
決済のタイミングで1円の収益がでます。
すなわち、この両者の間に大きな乖離が
生じている場合に、大きな収益機会が
生まれます。
参照:ベーシス取引をわかりやすく!ネットベーシスとチーペストによる算出方法は!
ヘッジファンドが巨大なベーシス取引残高
ジョナサン・ホフマン氏とジョン・ボネロ氏、ジョナサン・ティパーマス氏の
共通項は、似たようなファーストネームだけではない。「ベーシス取引」
による米国債への巨大投資が規制・監督当局を夜も眠れない状態に
したが、彼らこそ推進役だ。
世界屈指のヘッジファンドが、米国債の現物と先物との価格差を
利用し、利益を得るこの種の取引で、ホフマン氏らとそのチームは
トッププレーヤーであり、その意味で今日の金融業界の最も重要な人物といえる。
非公開情報を理由に複数の関係者が匿名で語ったところでは、
ヘッジファンド運営会社エクソダスポイント・キャピタル・マネジメント
のポートフォリオマネジャー、ホフマン氏(51)とミレニアム・マネジメント
のトレーダー、ボネロ氏(52)、シタデルのティパーマス氏(41)は、
数十億単位に上る利益を生むためにベーシス取引を長年にわたり利用してきた。
出典:ブルムバーグ
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-12-21/S5Y9KST1UM0W00?srnd=cojp-v2
まとめ
ベーシス取引の基本は債券の現物と先物の裁定取引とも
言えますが、上記のように、巨大なヘッジファンドが
使ってきた手法でもあり、現在巨大な残高が膨れ上がって
いるようです。ベーシス取引を別の側面でみてみると
現物と先物の裁定を可能にする、レポ市場の流動性が
カギとなり、その市場が壊れてしまうと、この巨大なポジション
の目論見は一機に崩れてしまうリスクです。
別の言い方をすれば、平常なマーケットだと機能するのですが
直近では、コロナパンデミックの直後のマーケットなど
いったんレポ市場の流動性が壊れると損失は何十倍にも膨れ上がって
しまうリスクがあります。前回はFRBが流動性を供給して
ピンチを打開したかっこうとなりましたが、これらヘッジファンド
の巨大のポジションがについて、中央銀行からも何度も警告のような
発言が出ています。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-10-22/S2T8U0T1UM0W01